例文の「
」は、近世 tsa(ツァ)の音を表わそうとした表記。
( 1 )「お」は接頭語、「つぁん」は接尾語で、オトトサマ→オトッサマ(オトトサン)→オトッサン→オトッツァンと変化してできた語。ただし「おとっさん」と表記されたものはオトッサン・オトッツァン両様の可能性がある。明治後期以降、「おとうさん」が一般化するまで最も広く用いられた呼称。
( 2 )「守貞漫稿」によれば、近世後期江戸の中層以上の町人、武家で使われた。待遇意識や幼児の片言の影響などのない場合には、オトッツァン━中層以上、チャン━下層というような階層的分化が大体認められる。
( 3 )同じく「守貞漫稿」によれば、近世後期上方では、中層町人以上はオトッサン(オトッツァン)、下層町人はトトサンを使用した。ただし、「随筆・皇都午睡」によると、特に幕末期の大坂では、オトッサン(またはオトッツァン)の使用が広がっていたようである。→「おっかさん」「おとうさん」の語誌
1 多数の語を集録し、一定の順序に配列して一つの集合体として、個々の語の意味・用法、またはその示す内容について記したもの。語のほかに接辞や連語・諺なども収める。また、語の表記単位である文字、特に漢字を...