御牧郡(読み)みまきぐん

日本歴史地名大系 「御牧郡」の解説

御牧郡
みまきぐん

室町期から江戸時代前期にみえる遠賀おんが郡の別称。応永三二年(一四二五)七月一〇日の将軍足利義持御判御教書案(蜷川家文書/大日本古文書二一―一)に「筑前国御牧郡内頓野・広渡・底□□(井野)香月・上津役等跡」とみえ、当郡内の地が渋川満頼(道鎮)に宛行われている。郡名の由来は定かではないが、「続風土記」は遠賀郡について「むかしは此郡、所々に馬牧多くして、戸畑村・井熊村・波津浦なとに牧有し址あり。猶此外にも多かりしとかや。故に中ころより、此郡を御牧郡と称せり」と記す。改称の経緯は不明だが、一説には郡名庄である遠賀庄(現岡垣町)との混同を避けるためであったとか(芦屋町誌)、応永年間における渋川氏と少弐氏との対立関係から改称を読み解く説(岡垣町史)もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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