御祈禱所(読み)ごきとうしょ

改訂新版 世界大百科事典 「御祈禱所」の意味・わかりやすい解説

御祈禱所 (ごきとうしょ)

将軍や大名や天皇や公家がそれぞれ祈禱を命じる指定寺院。中世・近世に諸国に存在し,密教系と禅宗の名刹が多い。平安時代にはじまる天皇や公家の御祈願所(寺)に対して,御祈禱所は〈鎌倉殿御祈禱所〉〈将軍家御祈禱所〉の名称で鎌倉初期から武家の祈禱指定寺院として,はじめて史上に現れる。しかし,すでに鎌倉期から両者の呼称は混同され,同じ寺院が両様の呼称で呼ばれるようになり,将軍だけでなく諸大名の御祈禱所寺院も現れる。祈禱の内容は泰平戦勝,治病,安産延命豊作,祈雨,菩提など多様であり,祈禱主は寺領寄進や安堵(あんど),建物の造営や修理など種々の特権と保護を寺院に与えた。
御願寺(ごがんじ)
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 藤井

ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...

ヒグマの用語解説を読む