御難(読み)ゴナン

デジタル大辞泉 「御難」の意味・読み・例文・類語

ご‐なん【御難】

[名・形動]
災難難儀などを、それを被る人を敬い、また、丁寧にいう語。からかいや自嘲をこめていう場合もある。「ご難なことでしたね」「ご難続き」
非難すべき点や難点を丁寧にいう語。
日蓮宗で、日蓮法難のこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御難」の意味・読み・例文・類語

ご‐なん【御難】

〘名〙 (「ご」は接頭語)
① (形動) ある人を敬って、その人の災難、難儀、困難をいう語。特に、日蓮が文永八年(一二七一)九月一二日に相模国(神奈川県)龍の口で首を切られそうになった災難をいう。また、現代では、ふざけた感じを含めて用いることもある。
※義経記(室町中か)七「今夜はこれにてあかさせ給ひて、明日の御なんをばなにとしてのがれさせ給ひ候べき」
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉一二「ここの主が凝まりの一代法華、龍(たつ)の口より勝の口は出逢ひし者の御難(ゴナン)と知るべし」
② 非難すべき点、難点、迷惑の丁寧語
説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)中「何たるとがをしたればとて、あのやきかねをあてられたといふならは、ぬしのとかをば申さいで、これはおしうの御なん也」

ぎょし‐にく・い【御難】

※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉三「御し易いのは青年、御し難(ニク)いのも青年」

ぎょし‐がた・い【御難】

〘形口〙 意のままにあやつりにくい。扱いにくくてどうにもならないさまである。ぎょしにくい。⇔ぎょしやすい

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android