微言(読み)びげん

精選版 日本国語大辞典 「微言」の意味・読み・例文・類語

び‐げん【微言】

〘名〙
① 奥ふかいことば。微妙なことば。
聖徳太子伝暦(917頃か)用明天皇元年「天皇詔微言曰、朕恤児之胤子不一レ続故、悦朕之年命不一レ永」 〔漢書芸文志
② (━する) それとなく言うこと。あてこすること。また、かすかにつぶやくこと。
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四七「顔色憔悴、形容枯槁、只だ時器を見て微言(ビゲン)するのみ」 〔史記‐武安侯伝〕
③ 自分の意見をへりくだっていう語。
実隆公記‐延徳二年(1490)七月四日「彼是次第昇進叶理致哉之由挟心底之間、就御言談、献微言了」

び‐ごん【微言】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「微言」の意味・読み・例文・類語

び‐げん【微言】

[名](スル)
微妙な言葉意味の深い言葉。
それとなく言うこと。かすかにつぶやくこと。
「時器を見て―するのみ」〈織田訳・花柳春話

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「微言」の読み・字形・画数・意味

【微言】びげん

微妙深甚の語。漢・劉〔書を移して太常博士を譲(せ)む〕夫子(ふうし)沒してえ、七十子卒(しゆつ)して大義乖(そむ)くにび、重ねて戰國にふ。

字通「微」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の微言の言及

【謎】より

…〈わざ〉は神霊のなすところ(しわざ)を意味するから,〈わざうた〉とは人の世の乱れを警告する天の声というつもりであろう。また古代中国で,臣下が王の失政をいさめるために,微言(びげん),隠(いん)などと呼ばれる婉曲なたとえ話を王に語ったが,これも政治的文脈で活用されたなぞ掛けといえる。 なぞには子どもに物を教える教育的効果もあり,しばしば記憶促進に有効な韻文形式と結びつくことによって,その効果を高める。…

※「微言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android