(読み)ビ

デジタル大辞泉 「微」の意味・読み・例文・類語

び【微】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) ミ(呉) [訓]かすか
〈ビ〉
細かくて、または奥深くて、はっきり見えない。かすか。「微細微小微妙微生物微粒子隠微機微極微精微顕微鏡
ほんの少し。わずか。「微笑びしょう微増微動微熱微風びふう微量軽微
目立たずに。ひそかに。「微行
なくなる。衰える。「式微衰微
身分が卑しい。「微賤びせん
自分に関することを謙遜していう語。「微意微躯びく微衷微力
〈ミ〉かすか。わずか。「微塵みじん拈華微笑ねんげみしょう
[名のり]いや・なし・まれ・よし
難読微風そよかぜ微温湯ぬるゆ微温湯ぬるまゆ微笑ほほえ微睡まどろみ

び【微】

[名・形動]
ごく小さいこと。非常に細かなこと。また、そのさま。「にわたった説明
かすかなこと。わずかなこと。また、そのさま。
「わり模様、―ならず細ならず」〈一葉・うもれ木〉
数の単位。1の100万分の1。→くらい[表]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「微」の意味・読み・例文・類語

び【微】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) かすかなこと。ほのかなこと。存在するが形のあきらかでないこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「不対といふは、遍界不曾蔵なり、破界不出頭なり、微なり、妙なり、回互不回互なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)坐禅箴)
    2. [その他の文献]〔礼記‐坊記〕
  3. ( 形動 ) 弱いこと。また、そのさま。微弱。
    1. [初出の実例]「東夷を亡さばやと、常に叡慮を回されしかども、或は勢微(ビ)にして叶はず」(出典太平記(14C後)一)
  4. ( 形動 ) 小さいこと。少ないこと。わずかなこと。細かなこと。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「今以功微(ビ)爵多、頻猜義貞忠義」(出典:太平記(14C後)一四)
    2. [その他の文献]〔孟子‐公孫丑・上〕
  5. ( 形動 ) いやしいこと。身分の卑しいこと。また、そのさま。
  6. 一秒の六〇分の一。
    1. [初出の実例]「凡そ、時或は度に就て、分・秒・微と云ふものあり」(出典:遠西観象図説(1823)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「微」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音]
[字訓] そぐ・なし・かすか・ひそか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(び)。は媚蠱(びこ)をなす巫女を殴(う)って、敵の呪能を弱め、失わせる共感呪術的な方法をいう。それは速やかに伝達させるために道路で行われ、また陰微のうちに行われた。本義は、敵の呪的な力を減殺(げんさい)することをいう。媚女を戈(ほこ)にかけて殺すことを蔑(べつ)といい、蔑もまた「蔑(な)くする」こと、「蔑(かろ)んずる」ことをいう。・蔑は相似た呪的な行為をいう字である。

[訓義]
1. そぐ、なくする、よわめる。
2. かすか、ほのか、わずか、すくない、おとろえる。
3. ひそか、かくれる、のがれる。
4. こまかい、くわしい、ほそい。
5. かける、おとろえる、いやしい。
6. なし、あらず、なかりせば。

[古辞書の訓]
和名抄風 古加世(こかぜ) 〔名義抄 ホノカニ・ハギヤブル・スコシ・ウルハシ・スコシキ・アラズ・ナシ・ミチ・シバラク・トラフ・カクル・ヒソカニ・ミソカニ・カシコマル・ツヒユ・オボツカナシ・ウカメク・ヲサナシ・イヤシ・トモシ・ヨロシ・ホソシ・キヨシ・スクナシ・イクバク・ヨシ・ヤウヤク・シヅカナリ・スコブル

[語系]
miuiは非・匪piuiと声近く、はもと有無の「なし」の条件形に用いることが多い。〔論語、憲問〕「管仲(な)かりせば」、〔左伝、僖三十年〕「夫(か)の人の力かりせば」のように用いる。陰微の意より微細の意となる。miuiは同声。〔説文〕十一上に「小雨なり」とあり、微雨をいう。尾miuiも微細の意がある。また、眉・美miei、靡miaiは、かすかで美しい意がある。

[熟語]
微痾・微意・微員・微陰・微隠・微雨・微雲・微影・微遠微婉・微温微瑕・微過微哦・微介・微戒・微諫・微官・微寒・微儀・微躬・微禽・微吟・微・微・微径・微計・微月・微・微譴・微愆・微言・微孤・微紅・微功・微光・微香・微巧・微行・微恨・微細微罪・微察・微志・微旨・微指・微時・微辞・微事・微疾・微失・微者・微弱微笑・微詳・微霄・微小・微忱微塵・微酔・微誠・微雪・微賤・微繊・微・微中・微衷・微睇・微・微灯・微動・微波・微白・微薄・微班・微鄙・微微・微眇微風・微服・微物・微文・微歩・微芳・微俸・微謀・微・微末・微妙・微命・微・微要・微恙・微陽・微瀾・微利・微涼・微力・微綸・微・微労・微禄・微論・微和
[下接語]
依微・隠微・淵微・微・煙微・寒微・希微・幾微・機微・熹微・窮微・極微・軽微・研微・涓微・顕微・孤微・忽微・細微・察微・至微・紫微・式微・識微・慎微・衰微・翠微・精微・析微・積微・賤微・繊微・爪微・側微・太微・単微・通微・入微・霏微・貧微・扶微・密微・妙微・明微・幽微

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android