志賀山万作(読み)しがやままんさく

精選版 日本国語大辞典 「志賀山万作」の意味・読み・例文・類語

しがやま‐まんさく【志賀山万作】

  1. 歌舞伎舞踊振付師志賀山流流祖。初世ははじめ喜多流鼓打で、のち歌舞伎の囃子方となり、中村座に属した。その子松川庄之助は振付師に転じ、初世中村伝次郎と改め、四世中村勘三郎から、中村家に伝わる「小舞十六番」「大小の舞」「世継舌出三番叟」などを預けられ、同座の振付のかたわら、踊り稽古所を開いて、婦女子にも教えた。享保一四年(一七二九)没。

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朝日日本歴史人物事典 「志賀山万作」の解説

志賀山万作

生年生没年不詳
元禄期の歌舞伎の振付師。江戸の振付師の元祖とされる。日本舞踊江戸志賀山流の流祖。喜多流の能の小鼓方から歌舞伎の囃子方となり,振付師を兼ねた。中村座の座付きとなり,「小舞十六番」「大小の舞」など家の芸を預けられた。中村座の子弟に家の振りを伝授するために和泉町(神田)に稽古場を開き,一般にも稽古を付けた。志賀山流は息子の初代中村伝次郎に継承され,櫓付(座付き)の稽古所として天明年間(1781~89)まで続き,8代目万作(初代中村仲蔵)など名手を出した。以後は女師匠志賀山勢以などによって継承され,古風な江戸の振りを伝える独特の流派として今日に至る。

(古井戸秀夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「志賀山万作」の解説

志賀山万作 しがやま-まんさく

?-? 江戸時代前期の振付師。
初代中村伝次郎(1673-1729)の父。能の喜多流の小鼓方であったが,江戸中村座の囃子方(はやしかた)にはいる。舞踊にたくみなことから中村家の「大小の舞」などをつたえられ,振り付けにあたる。和泉町(神田)に稽古所をひらき,志賀山流を名のった。舞踊志賀山流の祖。

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世界大百科事典(旧版)内の志賀山万作の言及

【志賀山流】より

…日本舞踊の流派。元禄期(1688‐1704)の志賀山万作を流祖とする。江戸歌舞伎の振付師の家系として知られるが,天明期(1781‐89)に活躍して仲蔵振りを残した初世中村仲蔵は6世(8世説もある)志賀山を継いでいる。…

【中村仲蔵】より

…前名中村中蔵。別名6世中山小十郎,8世志賀山万作。俳名秀鶴。…

※「志賀山万作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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