日本大百科全書(ニッポニカ) 「思想(哲学)」の意味・わかりやすい解説
思想(哲学)
しそう
thought 英語
Gedanke ドイツ語
pensée フランス語
広義には、思考によって精神のうちに生じたすべての現象をいう。
これには高次なものから順に次の四つの段階を区別することができるだろう。
(2)世界についてのいろいろな見方、人生についてのいろいろな考え方を表す世界観、人生観を包括したもの。
(3)日常の生活場面において事に処するときの、ものの見方、考え方。
(4)理性的反省以前の生活感情、生活ムード、意識下にある志向。
デカルトやカントの思想という場合は(1)の段階をさすことになるが、(4)の場合のような原始的段階まで含めて用いられる広義のことばなのである。一般に、原理的、体系的な思考としての哲学に比して、思想はより具体的な素材に即してそのつどの思考を展開するものをさしていると考えていいであろう。
[伊藤勝彦]
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