性翁寺(読み)しようおうじ

日本歴史地名大系 「性翁寺」の解説

性翁寺
しようおうじ

[現在地名]足立区扇二丁目

荒川左岸の熊谷堤近くにある。竜灯山貞香じようこう院と号し、浄土宗。本尊は伝行基作の阿弥陀如来坐像(都指定文化財)で、製作年代は平安時代末期から鎌倉時代初期と推定されている。江戸六阿弥陀詣にまつわる木余り如来として知られる。六阿弥陀詣は足立郡と豊島郡に分布する熊野信仰と行基伝説を素地にした女性の入水往生の伝説に基づく巡拝である。当寺が享保一一年(一七二六)に版行した「木余如来略縁起」によると、足立庄司宮城宰相を父にもつ女性が荒川対岸の豊島左衛門尉に嫁ぎながら離縁され、神亀二年(七二五)実家に帰る途中、侍女とともに荒川に身を投げた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android