恒春(読み)こうしゅん(英語表記)Héng chūn

改訂新版 世界大百科事典 「恒春」の意味・わかりやすい解説

恒春 (こうしゅん)
Héng chūn

台湾の南端近くに位置する都市。付近には熱帯植物を集めた墾丁公園,台湾南端の鵞鑾鼻(がらんび),四重渓温泉などの観光保養地があり,恒春はその基地であるとともに,商業の中心地。なお鵞鑾鼻の隆起サンゴ礁の台地には,1882年(光緒8)灯台が設けられ,航海するものの間では有名である。なお,〈鵞鑾〉はパイワン族の言葉の音訳で〈帆〉を意味する。また町の一部には清朝時代の1875年(光緒1)に築造された城壁や城門が残っている。気候は熱帯性で,最寒月でも月平均気温20℃以上に達し,墾丁海岸では年中海水浴が可能である。恒春の名は,この気候よりくる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「恒春」の意味・わかりやすい解説

恒春
こうしゅん / ホンチュウン

台湾南端の県。高雄(たかお/カオシュン)の南85キロメートル、恒春半島に位置する。旧称琅(ろうきょう)。年平均気温が20℃前後で一年中暖かい。1875年、清(しん)朝は辺境防備を固めるためここに築城して県を置いた。その城門と城壁の一部がいまも残り、町の重要文化財となっている。付近一帯はタマネギ、スイカサイザル麻産地である。南16キロメートルに墾丁(こんてい)国立公園があり、近くの鵞鑾鼻(がらんび)灯台、佳楽水(からくすい)ビーチを含めて、恒春半島全体が南台湾最大の観光地に発展しつつある。

[劉 進 慶]

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