恩河朝恒(読み)おんが・ちょうこう

朝日日本歴史人物事典 「恩河朝恒」の解説

恩河朝恒

没年:尚泰13.閏3.13(1860.5.3)
生年:生年不詳
幕末期の琉球国の首里士族。唐名は向汝霖。御物奉行在職中,薩摩藩主島津斉彬の積極政策によりフランス軍艦購入にかかわった。鹿児島で三司官の座喜味盛普を誹謗したとの風聞で,斉彬死後の尚泰12(1859)年2月に免職・投獄された。嫌疑は,その他に鹿児島からの搬入米の販路を塞いだこと,農民の甘蔗作付け面積を狭めたことなどであった。恩河は終始無実を主張したが16回におよぶ拷問の末,翌年閏3月に獄死した。斉彬路線が撤回されたため首里王府の守旧派の巻き返しが行われ,斉彬路線に同調・協力した人物への弾圧となったものである。

(豊見山和行)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「恩河朝恒」の解説

恩河朝恒 おんが-ちょうこう

?-1860 琉球(りゅうきゅう)の官吏
物奉行(財政担当官)在職中に薩摩(さつま)鹿児島藩主島津斉彬(なりあきら)の富国強兵政策に協力した。斉彬が死去すると王府主流派の巻きかえしにあい,尚泰王12年国費横領などを理由に免職,投獄された。拷問をうけ,尚泰王13年閏(うるう)3月13日獄死した。通称は恩河親方。唐名(からな)は向(しょう)汝霖。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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