(読み)シツ

デジタル大辞泉 「悉」の意味・読み・例文・類語

しつ【悉】[漢字項目]

人名用漢字] [音]シツ(漢) [訓]ことごとく
全部。ことごとく。「悉皆
きわめ尽くす。「詳悉知悉不悉

こと‐ごと【×悉/尽】

《「事事ことごと」の意から》あのことも、このこともすべて。あるもの全部。あるかぎり。副詞的にも用いる。
「夜はも夜の―昼はも日の―」〈・一五五〉
「はたこらが夜昼といはず行く道を我は―宮道みやぢにぞする」〈・一九三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「悉」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 11画

[字音] シツ
[字訓] つくす・ことごとく

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
(べん)+心。は獣爪の象。獣掌を示す番(膰)は、に掌を田の形にして加えたものである。心は心臓の象形。〔説文〕二上に「詳盡なり」と訓し、同じくに従う(しん)にも「悉なり」と訓する。・審は獣掌を以て宗に供える意で、その肉あるものを膰という。犠牲はその毛色・角皮・爪に至るまで、損傷がないことを確かめて用いたので、それより詳審の意となった。心臓を供することを(寧)といい、臓器の完全なものも、神意を安んずるものとされた。悉は獣爪のと、心臓の象に従い、獣爪を以て内臓を披き取る意であろう。

[訓義]
1. つくす、きわめる、たしかめる、十分にしらべる。
2. すべて、ことごとく、のこらず。

[古辞書の訓]
名義抄〕悉 コトコトク・ツクス 〔字鏡集〕悉 コトコトク・ツマビラカ・ツクス・ココヨカニ・アキラカ・シル

[声系]
〔説文〕に悉声としてなど二字を収めるが、ほとんど用例のない字である。

[語系]
悉sietは死siei、sieと声近く、みな尽(しじん)の意がある。声義の近い語であろう。

[熟語]
悉意・悉皆・悉心悉尽悉数悉曇悉備・悉力
[下接語]
悉・委悉該悉究悉・具悉・厳悉・実悉・熟悉・昭悉・詳悉・審悉精悉・繊悉・綜悉・知悉・備悉・不悉・明悉

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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