悪世(読み)アクセ

デジタル大辞泉 「悪世」の意味・読み・例文・類語

あく‐せ【悪世】

悪い世の中。特に、仏法の衰えた時代末法の世。末世
末代―に及ばんまで、この仏を一称一礼せん人は」〈今昔一一・一五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「悪世」の意味・読み・例文・類語

あく‐せ【悪世】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「世」は時間的・空間的双方の意に用いる )
  2. 悪い世。悪事の行なわれる世の中。仏法の衰えた時代。特に、末法の世についていう。末世。悪世界。
    1. [初出の実例]「末劫衆生。化登浄土。五濁悪世。還為」(出典聖徳太子伝暦(917頃か)上)
    2. 「さこそ、おぼし離れたれど、なほ、このあくせに生れ給にければにや」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)一)
    3. [その他の文献]〔阿彌陀経〕
  3. 悪い宿世(すくせ)前世からの悪い巡り合わせ。

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