意足寺(読み)いそくじ

日本歴史地名大系 「意足寺」の解説

意足寺
いそくじ

[現在地名]大飯町万願寺

万願寺まんがんじ集落の一番奥まった高台にある。山号は湯谷山、曹洞宗。本尊千手観音。「若州管内社寺由緒記」に「本尊千手観世音伝教大師御作、殿堂は桓武天皇御建立、其時の寺領七町七反有之由度々の乱世に落申由」とある。当寺はもと長英ちようえい(現福井県小浜市)の地にあったが、江戸時代初期に当地の万願寺跡地に移されたという(若狭郡県志)。万願寺については文永二年(一二六五)若狭国惣田数帳写に「寺田 満願寺五町一反二百七十歩」とあり、その内訳は「佐分郷三町五反二百七十歩、本郷一町六反」となっている。東寺百合文書に文安六年(一四四九)五月の「若州大飯郡高生山満願寺東寺修理奉加人数書上」があり、万願寺は京都東寺の支配下にあったと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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