デジタル大辞泉
「愛しきやし」の意味・読み・例文・類語
はしき‐やし【▽愛しきやし】
[連語]《形容詞「は(愛)し」の連体形+間投助詞「やし」》いとおしい。なつかしい。
「石走る垂水の水の―君に恋ふらく我が心から」〈万・三〇二五〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はしき‐やし【愛やし】
- 〘 連語 〙 ( 形容詞「はし(愛)」の連体形「はしき」に助詞「や」「し」が付いたもの ) いとしい。愛すべきである。愛惜の意味の嘆息「ああ」にあたる場合もある。はしけやし。はしきよし。
- [初出の実例]「波之吉也之(ハシキヤシ)我家(わぎへ)の毛桃本繁み花のみ咲きて成らざらめやも」(出典:万葉集(8C後)七・一三五八)
- 「はしきやし郎女(をんな)のなからひは、久方のひさしいもので」(出典:談義本・根無草(1763‐69)跋)
愛しきやしの語誌
( 1 )我家、妻、妹などにかかる連語で枕詞に近い。別にハシケヤシ、ハシキヨシの形もある。ハシキヤシ、ハシケヤシは挽歌のような悲痛な感情を表現する場合に用いられ、ハシキヨシは祝宴の歌に用例を見るなど意味の分化があるという説がある。
( 2 )ハシキヤシが古くハシキヨシに変化したともいわれており、そこでヨシは「吉シ」を連想していたとも考えられよう。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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