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挽歌 ばんか dirge

翻訳|dirge

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

挽歌
ばんか
dirge

死者をいたむ詩歌。輓歌とも書く。中国では葬送の際,棺を載せた車を引 (挽) く者が歌った。『万葉集』では雑歌,相聞歌とともに三大部立の一つで,葬送だけでなく,広く人間の死に関する歌が収められている。

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デジタル大辞泉の解説

ばん‐か【×挽歌/×輓歌】

葬送のとき、柩(ひつぎ)を載せた車をひく人たちがうたう歌。また、人の死を悼んで作る詩歌。哀悼歌。
万葉集で、雑歌(ぞうか)相聞(そうもん)とともに三大部立ての一。辞世や人の死に関するものなどを含む。古今集以後の哀傷歌にあたる。

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百科事典マイペディアの解説

挽歌【ばんか】

和歌の分類名。死者を葬る時に棺を挽(ひ)く者が謡う歌,葬送の歌,死を悲しむ歌。《万葉集》では,雑歌・相聞歌とともに3大部立の一つであり,この用語は《文選》その他の〈挽歌〉〈挽歌詩〉に倣ったものとされる。
→関連項目雑歌

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世界大百科事典 第2版の解説

ばんか【挽歌】

輓歌とも書く。野辺の送りのとき柩(ひつぎ)の車を挽(ひ)きつつうたう歌。中国では早くから詩体の一つとされ,《文選》(6世紀)が魏・晋の作品5首(五言詩)を収める。起源については諸説があるが,現存最古の作品は,ふつう漢初斉の田横が漢の高祖に仕えるのを恥じて自殺したとき(前202),門人たちが悲しんで作った葬送歌だという。もと1首だったのを,漢の武帝のとき音楽庁長官李延年が薤露(かいろ)と蒿里(こうり)の2曲に分け,前者を王侯貴人の,後者を士大夫庶民の挽歌としたといわれる(晋の崔豹《古今注》)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

挽歌
ばんか

死者を悼(いた)む歌。[石川忠久]

中国

「挽」は、「引く」意で、もともとは葬儀のとき、柩(ひつぎ)を載せた車を引きながらうたう歌である。漢代の楽府(がふ)、相和歌相和曲のなかに、「薤露」(かいろ)「蒿里」(こうり)の二曲がある。薤露は、人の命が薤(おおにら)の上に宿る露よりはかないことをうたい、蒿里は、死神が追いやって人の魂を蒿(よもぎ)の里に聚(あつ)めることをうたう。言い伝えによると、漢の高祖のとき、田横(でんおう)が自殺したのを門人が悼んでつくったもので、のち武帝のとき、薤露を王公貴人、蒿里を庶人の葬儀用にと分けて定めたという。魏(ぎ)の曹操(そうそう)・曹(そう)植などに同題の模擬作がある。「挽歌」と題する歌は魏の繆襲(びゅうしゅう)の作がもっとも早い。歴代の模擬作のうち、西晋(せいしん)の陸機(りくき)の三部作と、それに倣った東晋の陶潜(とうせん)の三部作が名高い。陸機作では、死者が自らの心境を述べ、陶潜作では、自らの死を想定して述べているところがユニークである。これらはいずれも葬りの歌というより、死をテーマとする文学となっている。[石川忠久]

日本

「雑歌」(ぞうか)「相聞」(そうもん)と並ぶ、『万葉集』における三大部立(ぶだて)の一つ。その名称は『文選』(もんぜん)に典拠を求めたとみられる。原義は、柩(ひつぎ)を挽(ひ)くときにうたう歌の意であるが、『万葉集』では広く死を悼む歌(辞世歌や伝説的人物の墓所での歌などをも含む)を収める部立となっている。『万葉集』は、巻2、3、7、9、13、14の諸巻に「挽歌」の部立をもち、218首を収載する。有間(ありま)皇子の「自傷」の歌、「岩代(いはしろ)の 浜松が枝(え)を 引き結び 真幸(まさき)くあらば また還(かへ)り見む」(巻2、141)が、巻2「挽歌」の部の冒頭に配される。ほかに、題詞・左注に「挽歌」と記すものが20首ある。
 わが国の古代の喪葬儀礼において「歌舞」することは『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)などに伝えられる。しかし、その「歌舞」は呪術(じゅじゅつ)的なものであって、その伝統がそのまま「挽歌」につながるものではない。「挽歌」は、喪葬儀礼の外で死者を哀傷する歌として、中国の文学の媒介によって形づくられていった新しい歌の領域であった。喪葬儀礼の「歌舞」とは異質な、初めから叙情を性格とするものであったと認められる。『古今集』以後、「挽歌」の部立は消え「哀傷歌」と称されるようになる。[神野志隆光]
『青木生子著『万葉挽歌論』(1984・塙書房)』

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世界大百科事典内の挽歌の言及

【エレジー】より

…今日一般に〈悲歌〉〈挽歌〉など,哀愁を歌う詩を指す語として理解され用いられている言葉。この名称で伝わる詩文のジャンルの歴史は古く,その始源は前7世紀ギリシアの詩人たちにさかのぼる。…

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