感生伝説(読み)かんせいでんせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「感生伝説」の意味・わかりやすい解説

感生伝説
かんせいでんせつ

性交によらない懐妊分娩を説く説話。懐妊の原因としてあげられるものを類別すると,岩や木に触れる,日光などに照らされる,日,月,星,稲妻などが体中に入るのを夢みる,卵などを飲む,足跡を踏む,などがおもなもので,世界各国に広く伝承されている。中国の諸帝王ギリシア神話英雄ペルセウス,メキシコ神話の軍神ウィツィロポチトリなど,神,帝王,英雄の誕生について語られることが多いが,オーストラリアなどではごく普通の女性についても語られている。 E.ハートランドは,低い文明期にある民族では性知識が乏しく,性交が懐妊の原因であるという認識に欠けるため,懐妊時の周囲の事物現象にその原因を求めたことに感生伝説の原因があるとしたが,感生伝説の原初期においては,普通の人について語られていたものと考えられる。それが帝王や英雄などに限って語られるようになったのは,感生が超自然的な現象であるという認識ができてから,帝王や英雄が普通の人とは違った,すぐれた存在であることを物語るために利用されたものであろう。

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