憑祥(読み)ひょうしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「憑祥」の意味・わかりやすい解説

憑祥
ひょうしょう / ピンシヤン

中国南部、広西(こうせい)チワン族自治区南西端にある県級市。崇左(すうさ)地級市に属する。人口11万1770(2014)。ベトナムとの国境に位置し、宋(そう)代から交通、軍事の要地として開けた。1956年市制施行。1951年に湘桂(しょうけい)線(衡陽(こうよう)―憑祥)が通じ1955年にハノイまで延長されてから、両国を結ぶ交通基地として発展した。1992年には、中央政府から対外開放都市に指定されている。食品、農機具電機などの工業が立地する。大理石を豊富に埋蔵し、八角(はっかく)(ダイウイキョウの実からとる香辛料)を特産とする。市の南西23キロメートルにある峠が古くから両国の国境となっている友誼関(ゆうぎかん)である。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「憑祥」の意味・わかりやすい解説

憑祥 (ひょうしょう)
Píng xiáng

中国南部,広西チワン(壮)族自治区南西部のベトナムとの国境にある都市で,湘桂鉄道(衡陽~友誼関)の終点友誼関の手前にあたる。人口11万(2000)。宋代には憑祥峒と呼ばれ,明代は憑祥州治であった。清代に憑祥庁が置かれ,1912年県に改められた。51年寧明県に編入されたが,56年に憑祥鎮を分離して市が置かれた。中国・ベトナム間の交通の要地で,51年湘桂鉄道が開通してベトナムとの往来が盛んになるにつれて発達した。北方約30kmの竜州で左江水系の水路とも連絡する。友誼関(かつての鎮南関)などの名勝古跡がある。
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