懸隔たる(読み)カケヘダタル

デジタル大辞泉 「懸隔たる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐へだた・る【懸(け)隔たる】

[動ラ五(四)]
遠く離れる。
「父は常に我々とは―・った奥の二間専領していた」〈漱石行人
両者の間に大きな違いがある。かけはなれる。「現実理想とはあまりにも―・っている」
(「駆け隔たる」とも書く)争いなどをしている両者の間に分け入る。
「郎等は主を討たせじと、―・りて実盛と、押し並べて組むところを」〈謡・実盛

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精選版 日本国語大辞典 「懸隔たる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐へだた・る【懸隔・駆隔】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ( 駆隔 ) 馬を勢いよく走らせたり、走り寄ったりして、両者の間に分け入る。争いなどをしている両方の間にはいる。
    1. [初出の実例]「郎等は主を討たせじと、駈(か)け隔(へだ)たりて実盛と、押し並べて組むところを」(出典謡曲・実盛(1430頃))
  3. 両者の間が遠く離れる。はるかに隔たる。かけへだつ。
    1. [初出の実例]「隔遠(〈注〉カケヘダタリタル)なる法国と、文書往来の道、暫くも絶ざりき」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九)
  4. 両者の間に大きな違いができる。非常な差がある。かけへだつ。
    1. [初出の実例]「到底同じ人間とは思へない位懸(カ)け隔(ヘダ)たってゐる」(出典:門(1910)〈夏目漱石〉四)

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