懸隔てる(読み)カケヘダテル

デジタル大辞泉 「懸隔てる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐へだ・てる【懸(け)隔てる】

[動タ下一][文]かけへだ・つ[タ下二]
遠く間を隔てる。大きく差をつける。「立場の違いが両者意見を―・てている」
(「駆け隔てる」とも書く)中間に割って入り、両者を離れるようにする。
「さては曲者ござんなれと衛卒これを―・てるを」〈染崎延房・近世紀聞〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「懸隔てる」の意味・読み・例文・類語

かけ‐へだ・てる【掛隔・懸隔・駆隔】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]かけへだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. ( 掛隔・懸隔 ) 物を掛けて、それによって間を隔てる。
    1. [初出の実例]「北南のつまに、御簾をかけへだてて女房のゐたる南の柱もとより」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日)
  3. 馬を走らせたり、走り寄ったりして間にはいり、両者が隔たるようにする。
    1. [初出の実例]「敵は大勢なり、懸け隔てられては判官のためあしかりなん」(出典:保元物語(1220頃か)中)
  4. ある物を間にはさんで、両者が隔たるようにする。
    1. [初出の実例]「若党中間は皆遠侍大庭に並居て、中門の唐垣をかけへだて、師直只一人六間(むま)の客殿に坐したり」(出典太平記(14C後)二七)
  5. 両者の間に大きな違いをもたせる。非常な差をつける。
    1. [初出の実例]「それまで考へ込んでゐたことと、あまりかけ隔(へダ)てた話題に、敏捷(すばや)くあたまを向け変へながら」(出典:大道無門(1926)〈里見弴白夜)

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