成熟度(読み)せいじゅくど(その他表記)maturity

翻訳|maturity

岩石学辞典 「成熟度」の解説

成熟度

(1) 堆積物の成熟度には鉱物学的なものと構造的なものがある.鉱物学的に成熟した堆積物とは,最も化学的に安定で物理的にも抵抗性のある石英,珪岩や,ジルコンのような非常に安定な重鉱物などを高い比率で含むものをいう.鉱物学的に未成熟(immature)な堆積物とは長石や,石英を含まない岩石破片など不安定な粒子を含むもの.堆積岩の構造的な成熟度は細粒な物質の円磨度や分級の仕方などに関係し,フォークスは次のように区分した,未成熟(immature)=5%以上の粘土を含む堆積物で粒子の分級が悪くあまり円磨されていないもの.亜成熟(submature)=含まれている粘土物質は5%以下で,粒子の分級は悪く円磨されていないもの.成熟(mature)=粘土物質は少量または全く含まれず,粒子はよく分級されているが円磨度はよくない堆積物.過成熟(supermature)=粘土物質を含まない堆積物で,粒子はよく分級され円磨されているもの[Adams, et al. : 1984].
(2) 地形的に壮年期をmaturityという.湿潤地域での河食輪廻で,開析(dessection)によって原形が失われた時期をいう.この時期には地域の起伏最大となり,河川はほぼ平衡状態となる[木村ほか : 1973].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

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