最新 地学事典 「成熟度」の解説
せいじゅくど
成熟度
maturity
風化・削剝作用により原岩が分解物となる過程,およびその分解・砕屑物が運搬され堆積物として定着するまでの過程で,化学的作用(溶解による消失,変質など)と物理的作用(分級・円磨・破壊など)を受けるため,砕屑性堆積物は原岩の直接的分解物としての性格を弱め,組成が変わっていく。この変化の程度を成熟度と呼ぶ。成熟度は(鉱物)組成的特徴と組織的特徴により表される。組成的成熟度の尺度には,侵されがたい鉱物・化学成分と侵されやすい鉱物・化学成分との比,例えば,1)石英/長石,2)(石英+チャート岩片)/(長石+チャート以外の岩片),3)石英/(長石+岩片),4)Al2O3/K2O;K2O/Na2Oなどが用いられる。組織的成熟度は,1)砕屑物から泥質成分が洗い去られた程度,2)分級度,3)粒子の円磨度などに現れる。これら成熟度の値が高い砕屑性堆積物は,1)砕屑供給源が遠い,2)運搬・堆積速度が遅い,3)堆積時における構造運動が弱い,などの条件下で,長時間の比較的強い化学的・物理的作用を受けて成熟したものとみなされる。成熟(mature)と未成熟(immature)との中間段階を亜成熟(submature)と呼ぶ。
執筆者:礒見 博・志岐 常正
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

