ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォークス」の意味・わかりやすい解説
フォークス
Fawkes, Guy
[没]1606.1.31. ロンドン
イギリスの軍人。1605年の火薬陰謀事件の実行者。イングランドにおけるカトリック教徒への弾圧強化に対する報復として,国王ジェームズ1世と閣僚が集結する議会開院式でウェストミンスター・パレス(→イギリス国会議事堂)を爆破しようとした。ヨークシャーの有力な家庭に生まれ,やがてローマ・カトリックに改宗。1593年プロテスタントの支配するイングランドを離れ,ネーデルラントでスペイン軍に参加。勇猛果敢で冷静な決断力のある軍人として名をはせた。爆破計画の首謀者らに協力を求められたフォークスは,計画の詳細を知らないまま帰国。一味は国会議事堂の地下にある貯蔵室に 36樽もの火薬を運び込み,準備を進めた。しかし陰謀は事前に発覚し,1605年11月5日未明,フォークスは逮捕された。翌 1606年1月27日,有罪判決を受け国会議事堂の前で処刑された。イギリスでは 11月5日を「ガイ・フォークス・デー」として,花火を打ち上げたり,仮面を着けた子供たちが金をねだったり,フォークスをかたどった人形を燃やすなどの行事を行なう。
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