打ち止む(読み)ウチヤム

デジタル大辞泉 「打ち止む」の意味・読み・例文・類語

うち‐や・む【打ち止む】

[動マ四]絶える。終わる。
「雨―・みたる暮れにて」〈かげろふ・下〉
[動マ下二]やめる。中止する。
「谷々の講演を―・め、社々の門戸を閉ぢて」〈太平記・一五〉

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精選版 日本国語大辞典 「打ち止む」の意味・読み・例文・類語

うち‐や・む【打止】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
    1. 打ちたたいてやめさせる。
      1. [初出の実例]「庭つ鳥 鶏(かけ)は鳴く うれたくも 鳴くなる鳥か この鳥も 宇知夜米(ウチヤメ)こせね」(出典古事記(712)上・歌謡)
    2. ( 「うち」は接頭語 ) 事を終わりにする。やめる。中止する。
      1. [初出の実例]「いつの間にか、とんとつづみを打(ウチ)やんだから」(出典:咄本・今歳咄(1773)つづみ)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 ) 続いていたものが絶える。終わる。
    1. [初出の実例]「雨うちやみたる暮れにて」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

うち‐とど・む【打止・打留】

  1. 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. ( 「うち」は接頭語 ) 物事を行なうことをやめる。中止する。
    1. [初出の実例]「日吉の祭礼をうちとどめて」(出典:平家物語(13C前)一)
  3. 戦って殺す。しとめる。
    1. [初出の実例]「景致(かげむね)まちうけてうちとどめ候はむ」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か)下)

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