打ち立つ(読み)ウチタツ

デジタル大辞泉 「打ち立つ」の意味・読み・例文・類語

うち‐た・つ【打ち立つ】

[動タ四]
立っている。
「小さき家の前に―・ちて」〈今昔二九一四
出発する。出かける。
「卯の刻にすでに―・たんとしけるに」〈平家・六〉
熱中して打つ。け事などに夢中になる。
「この御博奕ばくやうは、―・たせ給ひぬれば」〈大鏡道隆
[動タ下二]うちたてる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打ち立つ」の意味・読み・例文・類語

うち‐た・つ【打立】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行四段活用 〙
    1. ( 「うち」は接頭語 ) 立っている。いきおいよく立ち上がる。うったつ。
      1. [初出の実例]「蔵人は其の小(ちひさき)家の前に打立(うちたち)て」(出典今昔物語集(1120頃か)二九)
    2. ( 「うち」は接頭語 ) 出立する。出発する。いでたつ。うったつ。
      1. [初出の実例]「旅人の駒ひきなめてうちたてばやたのひろ野もせばくぞ有ける」(出典:和泉式部続集(11C中)上)
    3. 夢中になって打つ。
      1. [初出の実例]「この御ばくやうは、うちたたせ給ひぬれば、〈略〉よなか、あかつきまであそばす」(出典:大鏡(12C前)四)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙うちたてる(打立)

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