打立てる(読み)ウチタテル

デジタル大辞泉 「打立てる」の意味・読み・例文・類語

うち‐た・てる【打(ち)立てる】

[動タ下一][文]うちた・つ[タ下二]
物事をしっかりと定める。確立する。「新記録を―・てる」
盛んに打つ。打ちまくる。「合図の鐘を―・てる」
物をしっかりと立てる。
中黒はた二流れ―・て」〈太平記・二二〉
[類語]成就達成大成速成適う実現完成成立成り立つ成る出来しゅったい出来る出来上がる樹立確立存立成功奏功上首尾結実開花実を結ぶ花開く物になる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打立てる」の意味・読み・例文・類語

うち‐た・てる【打立】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちた・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. ( 「うち」は接頭語 ) 力強く立てる。つきさす。うったてる。
    1. [初出の実例]「大樹を切り伏せ、茹矢(ひめや)を其の木に打立(うちたて)て、其の中に入らしむ」(出典古事記(712)上)
  3. ( 「うち」は接頭語 ) 声をあげる。大きく響かせる。
    1. [初出の実例]「木ずゑにほととぎすの〈略〉諸声にうちたてつべし」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)二)
  4. 盛んに打つ。打ちまくる。
    1. (イ) (楽器を)盛んに打ってはやす。
      1. [初出の実例]「うちたつる鉦のつづみのはつこゑは」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
    2. (ロ) (砧(きぬた)で)衣を盛んに打つ。
      1. [初出の実例]「思ひ立(たつ)旅の衣をうちたてて〈如行〉 水さはさはと舟の行跡〈伴柳〉」(出典:如水日記抄‐元祿二年(1689)興行連句)
    3. (ハ) (武器で相手を)盛んに打ちまくる。また、銃砲を盛んに撃つ。
      1. [初出の実例]「あまさず打たつる」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)二)
  5. うどん、そばなどを作り上げる。
    1. [初出の実例]「ごみかき流す風呂の水遣〈岱水〉 切麦を早朝影に打立て〈凉葉〉」(出典:俳諧・桃の白実(1788))
  6. ( 「うち」は接頭語 ) 作りあげる。建てる。定める。確立する。
    1. [初出の実例]「予じめ人を陥れやうとする成心の上に打ち立てられた職業である」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉停留所)

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