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あかつき あかつき

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知恵蔵2015の解説

あかつき

2010年5月に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS)の金星探査機PLANET-Cの名称。金星の周回軌道をとり、金星の大気の様子や気候などを観測する予定だったが、12月の軌道投入に失敗した。探査機は現在太陽を周回しており、6年後に金星と再会合する。このときに金星の周回軌道に再投入される予定だが、エンジン破損の可能性があり見通しは厳しい。
金星は、地球に軌道が最も近い惑星であり、大きさや密度も地球に似ている。しかしながら海を持たず、大気の大部分を二酸化炭素が占める。その温室効果によって、地表温度は500度近くにも達し、気象条件は地球とは全く異なる。金星は、地球とは逆方向に自転するが、公転周期と大きな差はなく自転速度がきわめて遅い。大気が濃厚であることもあって地表付近は無風に近いが、大気の上層部では自転速度の60倍に及ぶスーパーローテーション(超回転)と呼ばれる強い東風(秒速100mほど)が吹いており、気象学の最大の謎とされている。ほかに、雲の暗部、雷発生や火山活動の有無など多くの未解明な部分がある。「あかつき」は、世界初の惑星気象衛星で金星の大気圏深部の運動等の観測によって、金星の気象を調査し、惑星の環境が作られるしくみの理解や、地球の誕生、気候変動などについての理解を深めることを目指していた。
暁(あかつき)とは、日の出前に東の空が白む頃。「あかつき」は、10年冬、金星が明けの明星として輝く頃に到着し、惑星気象学を新たに創出しようというイメージから名付けられた。ミッションのマスコットキャラクターとして「あかつきくん」と「きんせいちゃん」が作られ、「お届けします!あなたメッセージ、暁の金星へ」~「あかつき」メッセージキャンペーン~と銘打って、探査機のバランスウエイトにインターネットなどで公募した26万人のメッセージを印刷して搭載している。

(金谷俊秀  ライター / 2010年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

あかつき

日本初の金星探査機で、宇宙機構の種子島宇宙センター(鹿児島県)から5月、H2Aロケット17号機で打ち上げられた。3億キロ以上の旅を経て金星に到達。電池の寿命が尽きるまでの約4年間、高度300~8万キロの楕円(だえん)軌道を1周30時間で回り、5台の特殊なカメラで金星の大気の細かな動きを観測する予定だった。地球の姉妹星である金星の観測で、地球の気象研究も進むと期待されていた。日本の惑星探査は、1998年に火星探査丘のぞみ」が打ち上げられたが、軌道修正の失敗で予定の観測ができなかった。2003年に打ち上げられた小惑星探査丘はやぶさ」は6月、数々のトラブルを克服し、7年を経て地球に帰還した。

(2010-12-08 朝日新聞 夕刊 1総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉プラスの解説

あかつき

福島県など全国で生産されるモモ。大きさは250g程度。果皮は鮮やかな桃色に着色し、果肉はしまりがよくジューシーで甘い。農研機構果樹研究所が「白桃」と「白鳳」の交配により育成した品種で、1979品種登録。その後福島県の果樹試験場が改良を重ねて同県の主力品種となる。

あかつき

NHKのドラマシリーズ「朝の連続テレビ小説」の作品のひとつ。1963年4月~1964年4月放映。脚本:山下与志一。音楽:齊藤一郎。出演:佐分利信荒木道子ほか。原作は、武者小路実篤による『暁』『幸福な家族』『愛と死』などの家族ものの作品群。大学教授を辞め、画家となった佐田正之助とその家族の生活を軽妙に描く。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

あかつき
あかつき

金星の大気構造を詳細に観測するための金星探査機。計画名はPLANET-CまたはVCO(Venus Climate Orbiter)。PLANET-A(ハレー彗星(すいせい)探査)、PLANET-B(火星探査)に続く日本で3番目の惑星探査である。2001年(平成13)に宇宙科学研究所(現、宇宙航空研究開発機構(JAXA))で計画が提案され、その後探査機が開発され、2010年5月にH-Aロケットで打ち上げられた。半年後の2010年12月に金星に到着し、その周りを回る楕円(だえん)軌道に入る。五つの波長の異なる観測機器により、金星の「スーパーローテーション」とよばれる惑星規模の高速風について約2年、立体的に観測し惑星大気学の確立を目ざす。探査機本体は燃料を含めて質量約500キログラム。耐熱性に優れた窒化ケイ素製セラミックスラスターを使い、金星への軌道投入を行う。
 金星は地球とほぼ同じようにできた惑星と考えられるが、分厚い大気をもち、地表では90気圧以上、平均気温が460℃と灼熱(しゃくねつ)状態であると考えられている。そのうえ、毎秒100メートルという猛烈な風(スーパーローテーション)が吹いていることがわかっている。その金星の大気循環を詳細に調べるために、以下のカメラを使う。
(1)地表からの赤外線をとらえる1ミクロン赤外線カメラ(IR1)により、地表面や低層雲や水蒸気、そして火山の検出。
(2)雲層より下の大気からの赤外線をとらえる2ミクロン赤外線カメラ(IR2)により、雲や一酸化炭素の分布や動きを検出。
(3)雲が発する中間赤外線をとらえる中間赤外カメラ(LIR)により、雲の温度分布と動きを検出。
(4)太陽からの紫外線が雲に散乱される光をとらえる紫外線イメージャー(UVI)により、雲頂にある二酸化炭素などを検出。
(5)雷などからの発光をとらえる雷・大気カメラ(LAC)により、雷や大気の化学的発光を検出。[編集部]

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