打付書(読み)うちつけがき

精選版 日本国語大辞典 「打付書」の意味・読み・例文・類語

うちつけ‐がき【打付書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文章や絵などを、下書きをしないでいきなり書くこと。
    1. [初出の実例]「とる筆も打つけ書やけふの春〈光有〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)
  3. 書簡で、時候見舞や挨拶などの前文を略し、すぐに用件だけを書くこと。
    1. [初出の実例]「命を助置と、右の段々うち付書にいひ置れける」(出典:浮世草子・武家義理物語(1688)六)
  4. 書簡の上書き脇付(わきづけ)をしないこと。身分が下の者にやる書簡に多い。
    1. [初出の実例]「名字官計何がし殿と書をば、打付書といふなり」(出典:大館常興書札抄(1510‐11頃))

ぶっつけ‐がき【打付書】

  1. 〘 名詞 〙 じかに書きつけること。下書きしないで直ちに書きつけること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「酒飯でぶっつけ書の金屏風」(出典:雑俳・俳諧觿‐一三(1797))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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