打被(読み)うちかずく

精選版 日本国語大辞典 「打被」の意味・読み・例文・類語

うち‐かず・く ‥かづく【打被】

(「うち」は接頭語)
[1] 〘他カ四〙
① (多くは貴人から賞として賜わった衣類などを)肩に掛ける。肩に担う。
※宇津保(970‐999頃)沖つ白浪「宰相にかいねり一かさね、殿上人うちかづきてゐたまへり」
② (衣などを)頭からかぶる。また、頭上にかざす。
※枕(10C終)二八「伊予簾などかけたるにうちかづきて」
[2] 〘他カ下二〙 (賞として衣類を)人の肩にかけさせる。かずけものを与える。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「大将のかづけ給へる衵をうちかづけて」

うち‐かぶ・せる【打被】

〘他サ下一〙 うちかぶ・す 〘他サ下二〙 (「うち」は接頭語) 上から覆う。かぶせる。
※玉塵抄(1563)四「天のくもった、気が、下地と相応せぬことぞ。此も、一にはならいで、打かぶせたまでぞ」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二「一人蒲団を持って後から打被せる」

うち‐かぶ・る【打被】

〘他ラ四〙 (「うち」は接頭語) かぶる。
御伽草子三人法師(室町末)「おきなをりゑぼしひたたれ打(ウチ)かぶり候て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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