打過ぎる(読み)ウチスギル

デジタル大辞泉 「打過ぎる」の意味・読み・例文・類語

うち‐す・ぎる【打(ち)過ぎる】

[動ガ上一][文]うちす・ぐ[ガ上二]
打つ程度が過ぎる。「強く―・ぎて太鼓が破れる」
日数時間が経過する。「日ごろは無音ぶいんに―・ぎ」
ある場所を通り過ぎる。
藤波の―・ぎがたく見えつるは」〈蓬生
度が過ぎる。
母代ははしろが―・ぎさかしきも」〈狭衣・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打過ぎる」の意味・読み・例文・類語

うち‐す・ぎる【打過】

  1. 〘 自動詞 ガ上一 〙
    [ 文語形 ]うちす・ぐ 〘 自動詞 ガ上二段活用 〙 ( 「うち」は接頭語 )
  2. ある場所を通り過ぎる。通過する。
    1. [初出の実例]「山しろのとばのわたりをうちすぎていなばのかぜにおもひこそやれ」(出典:重之集(1004頃)下)
  3. ある時期、時間が過ぎる。経過する。
    1. [初出の実例]「かかる程に、宵打過て」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  4. ある基準以上になる。越える。まさる。
    1. [初出の実例]「御髪(みぐし)はやうじかけたるやうにめでたし。肩うちすぎたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  5. 水準以上である。程度が普通以上である。度が過ぎる。
    1. [初出の実例]「山里の人こそは、身のほどにはややうちすぎ、ものの心など得つべけれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)

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