日本大百科全書(ニッポニカ) 「托鉢教団」の意味・わかりやすい解説
托鉢教団
たくはつきょうだん
Ordines mendicantes ラテン語
Mendicant orders 英語
Bettelorden ドイツ語
西欧中世盛期(13世紀)に成立した修道会の一派。托鉢修道会ともいう。それまでの修道院は、世俗を離れた禁域内での戒律生活を理想としていたが、荘園(しょうえん)制の展開に伴い所領を拡大し財を蓄積して富裕化の道をたどった。その結果、制度的教会に内側から宗教的エネルギーを注入する役割を失い硬直化する。托鉢教団はアッシジのフランチェスコを創始者とし、従来の定住的・観想的生活を捨てて民衆のなかに入り込み、清貧を理想とし托鉢によって生活しながら布教を進める活動的修道会である。フランシスコ会、ドミニコ会、カルメル会、アウグスティヌス会などがある。
[赤池憲昭]
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