批判的経営学(読み)ひはんてきけいえいがく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

批判的経営学
ひはんてきけいえいがく

経営学の一学派であるが、日本独特のもので他国には類例がない。その基本は、マルクス主義経済学の方法を経営学に用いることにある。マルクスによれば、資本主義社会は資本家と労働者が階級として対立する社会であり、企業は価値増殖のために労働者から搾取する個別資本の運動体である。このような搾取のメカニズムをさまざまな経営管理の内容について分析し暴露するとともに、そこに流れている資本主義的生産関係の矛盾とその進行を解明することが、この学派の課題になる。
 資本主義企業経営ならびにそれを支える他の経営学説を批判するという意味で、批判的経営学と自らを位置づけている。しかし、その内容は、一方で諸説に分かれて内部論争が絶えないことと、他方で超越的批判にとどまっていることなどによって、大きな進歩がみられない。さらに社会主義体制の崩壊によるマルクス主義の退潮が、その基盤を弱めることになった。[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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