扼する(読み)ヤクスル

デジタル大辞泉 「扼する」の意味・読み・例文・類語

やく・する【×扼する】

[動サ変][文]やく・す[サ変]
強く押さえる。締めつける。
ランスロットは腕を―・して」〈漱石・薤露行〉
要所を占める。
「二隊の兵を随えて大和橋を―・して」〈鴎外大塩平八郎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「扼する」の意味・読み・例文・類語

やく‐・する【扼】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]やく・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. しっかりとつかむ。握り締める。
    1. [初出の実例]「妾は思はず手を扼(ヤク)して、〈略〉無量の感に撃たれたり」(出典:妾の半生涯(1904)〈福田英子〉九)
  3. おさえる。おさえつける。
    1. [初出の実例]「その自己の語に、既にその日の課業の項(くび)を扼(ヤク)せりと云へり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉四)
  4. 物事の重点・要点をおさえる。重要な地点要衝を占める。
    1. [初出の実例]「水場の入江を扼(ヤク)する阿多多の鼻は」(出典:帰去来(1901)〈国木田独歩一四)

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