抗利尿ホルモン(読み)コウリニョウホルモン

デジタル大辞泉 「抗利尿ホルモン」の意味・読み・例文・類語

こうりにょう‐ホルモン〔カウリネウ‐〕【抗利尿ホルモン】

脳下垂体後葉から分泌されるホルモン腎臓尿細管に作用して水分再吸収を促進する。不足すると尿量が増加し尿崩症にょうほうしょうとなる。ADH(antidiuretic hormone)。バソプレシン

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精選版 日本国語大辞典 「抗利尿ホルモン」の意味・読み・例文・類語

こう‐りにょうホルモンカウリネウホルモン【抗利尿ホルモン】

  1. 〘 名詞 〙 ( ホルモンは[ドイツ語] Hormon ) 尿の量を減少させる働きをもつホルモン。脳下垂体後葉から分泌され、腎臓での水分再吸収を促進するバソプレシンのこと。欠乏すると尿崩症などを起こす。

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栄養・生化学辞典 「抗利尿ホルモン」の解説

抗利尿ホルモン

 視床下部で合成され軸索輸送により下垂体後葉に達し,そこから分泌されるペプチドホルモン.腎臓での水の再吸収を促進し毛細血管壁を収縮させて血圧を上昇させる.

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世界大百科事典(旧版)内の抗利尿ホルモンの言及

【腎機能検査】より

…(4)尿濃縮,希釈試験 尿は糸球体でのろ過とそれに続く尿細管での再吸収によって,濃度が一定の範囲に保たれている。この調節を行っているのが抗利尿ホルモン(ADH)である。ADHの分泌が増加したり抑制されたりすると,尿の濃度が大きく変化し,多量の水分を失う脱水症となったりする。…

【腎臓】より

…したがって,この濃度こう配の中を下行する下行脚および集合管では,受動的に水が再吸収されることになるのである。 介在部では原尿の15%の水の再吸収が行われるが,この部での水の再吸収は,脳下垂体後葉の抗利尿ホルモン(ADH)によって促進される。これは,視床下部の視索上核および室旁核(しつぼうかく)にある浸透圧受容器による体液調節と深く関係している。…

【バソプレシン】より

…抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれ,尿量を調節する作用(抗利尿作用)をもつ脳下垂体後葉ホルモンの一つ。オキシトシンと同様,9個のアミノ酸からなる環状ペプチドで,ヒトをはじめ大部分の哺乳類では8番目のアミノ酸がアルギニンでアルギニン・バソプレシンといい,ブタなどではリジンでリジン・バソプレシンという。…

※「抗利尿ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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