ペプチドホルモン

デジタル大辞泉 「ペプチドホルモン」の意味・読み・例文・類語

ペプチド‐ホルモン(peptide hormone)

ペプチド結合をもつホルモン副腎皮質刺激ホルモンプロラクチン抗利尿ホルモンインスリンなど。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

内科学 第10版 「ペプチドホルモン」の解説

ペプチドホルモン(ホルモンの生合成、分泌、代謝)

(1)ペプチドホルモン(peptide hormone)
 ペプチドホルモンは,一般的な蛋白と同様にホルモンをコードする遺伝子が転写されメッセンジャーRNAmRNA)前駆体が精製される.さらにイントロン部分がスプライシングを受けて,キャップ構造やポリAが付加されて成熟mRNAとなる.mRNAは粗面小胞体上で翻訳を受けて,分泌シグナルとなるシグナルペプチドをN端に有するプレプロホルモンが生成される.さらに,プレプロホルモンはシグナルペプチダーゼによりシグナルペプチドが除かれ,プロホルモンまたはホルモンとなる.ホルモン前駆体であるプロホルモンにはACTH前駆体のプロオピオメラノコルチンのような複数のホルモンを含むもの,バソプレシンオキシトシン前駆体のように細胞内輸送に必要なニューロフィジンを含むもの,インスリン前駆体のようにα鎖とβ鎖の形態を保つのに必要なCペプチド(connecting peptide)を含むものなどさまざまな構造をとる.[柴田洋孝・伊藤 裕]
■文献
Melmed S, Polonsky KS, et al: Hormones and hormone action. In: Williams Textbook of Endocrinology, 12th ed, pp3-99, Elsevier Saunders, Philadelphia, 2011. Jameson JL, DeGroot LJ: Principles of endocrinology and hormone signaling. In: Endocrinology, 6th ed, pp3-14, Elsevier, Amsterdam, 2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

化学辞典 第2版 「ペプチドホルモン」の解説

ペプチドホルモン
ペプチドホルモン
peptide hormone

ホルモン作用を示すペプチドの総称.その分子量は,トリペプチドから数万のタンパク質まである.
(1)神経情報により下垂体ホルモンの分泌を調節する視床下部ホルモン群:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン,黄帯形成ホルモン放出ホルモンなど.
(2)下垂体ホルモン群:視床下部でつくられ,下垂体後葉に貯蔵され,そこから放出される抗利尿ホルモン,下垂体中葉のメラニン細胞刺激ホルモン,末梢内分泌器官の調節をする下垂体前葉の副じん皮質刺激ホルモン(ACTH),成長ホルモンプロラクチン甲状腺刺激ホルモン,黄体形成ホルモンなどがある.
(3)栄養情報により消化や血液成分の調節をする消化管ホルモン群:セクレチンガストリンなどのほか,膵臓のインスリングルカゴンなどがこれに含まれる.
(4)そのほか,内的環境の調節に関与するホルモン群:カルシトニンなど.
これらのペプチドホルモンは,すべて通常のタンパク質合成の過程でつくられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペプチドホルモン」の意味・わかりやすい解説

ペプチドホルモン
peptide hormone

動物のホルモンのうち,化学的本体がポリペプチドであるものの総称。脊椎動物の各種脳下垂体ホルモン,インスリン,副甲状腺ホルモン (パラトルモン) ,セクレチン,グルカゴンなど,多くのものがある。これらポリペプチドのアミノ酸配列は,一般蛋白質の場合と同じく遺伝子によって直接に規定され,進化的な類縁関係研究の対象となる。構成アミノ酸数は,少いものでは9個 (脳下垂体後葉ホルモンであるオキシトシン,バソプレシンなど) ,多いものは 180個以上 (脳下垂体前葉の成長ホルモン) もある。ある場合には,長い前駆体として合成されたのち特定部位で切断されて完成したホルモンとなるものがあり,インスリンの場合に,前駆体としてプロインスリン,そのまた前駆体としてプレプロインスリンが知られている。 

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栄養・生化学辞典 「ペプチドホルモン」の解説

ペプチドホルモン

 生体が作るホルモン活性をもったペプチド.インスリン,グルカゴン,副腎皮質刺激ホルモンなど多数

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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