拍子合(読み)ひょうしあい

精選版 日本国語大辞典 「拍子合」の意味・読み・例文・類語

ひょうし‐あい ヒャウシあひ【拍子合】

〘名〙
謡曲地拍子で、八拍からなる拍子に合うこと。また、そのリズム
※四座役者目録(1646‐53)下「一番にて、わが思ふ位・拍子あいにてなく」
② 他とうまく調子を合わせること。
狂歌古今夷曲集(1666)八「拍子あひよくいひながしねも高くちちとうりぬる皷草哉」

ひょうし‐あわせ ヒャウシあはせ【拍子合】

〘名〙 器楽合奏練習をすること。リハーサル
源氏(1001‐14頃)若菜下「今日の拍子あはせには、わらはべを召さむ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の拍子合の言及

【謡】より

…謡のみを稽古する素人の数はきわめて多く,それが能界の経済的基盤となっているほどである。 謡の音楽構造は,旋律様式の上からはコトバとフシ(節)に,リズム様式の上からは拍子不合(ひようしあわず)と拍子合(ひようしあい)に,それぞれ分けられる。コトバというのは,節付けされていない部分,すなわち音楽的に作曲されていない部分であるが,特定の抑揚をつけて謡われる。…

【能】より

… 次にノリ型について述べる。謡には,有拍リズムの拍子合(ひようしあい)の部分と,無拍リズムの拍子不合(ひようしあわず)の部分とがある。ただしコトバの部分は全部拍子不合であり,フシの部分は拍子合と拍子不合が半ばを分け合っている。…

【拍子】より


[能楽]
 能楽の分野でも,拍あるいは拍節を拍子という。謡(うたい)は,リズム様式の点で拍子不合(ひようしあわず)と拍子合(ひようしあい)の2種があり,後者は八拍子(やつびようし)と称する8拍単位の拍節構造を有するリズム,前者は非拍節的リズムである。そして拍子合の謡はさらに平ノリ,中ノリ,大ノリの3種の別があり,実際の〈拍子当り〉は,各句の字数や節付けによって,さまざまの形がある。…

※「拍子合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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