捗捗・果果(読み)はかばかしい

精選版 日本国語大辞典 「捗捗・果果」の意味・読み・例文・類語

はかばか‐し・い【捗捗・果果】

〘形口〙 はかばかし 〘形シク〙 (目当て・当てどの意を表わす「はか」を重ねて形容詞化した語)
物事が順調に進行するさま。うまくいくさま。
(イ) 動作、処置などが機敏である。とどこおりがなく、しっかりしている。てきぱきと如才がない。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「一手つかうまつりしを、そもそもはかばかしうや侍りけんにだに覚え侍らず」
(ロ) 思わしい状態である。また、思わしい状態に事が運ぶ。順調である。効果的である。首尾よい。
源氏(1001‐14頃)末摘花「かやうの御ありきには、随身がらこそはかばかしき事もあるべけれ」
② しっかりしていて頼みになる。頼もしい。有能である。役にたつ。
落窪(10C後)一「はかばかしき人もなく」
③ 際立っている。目覚ましい。立派である。また、はっきりしている。明確である。
※落窪(10C後)四「少しはかはかしき物え奉らで死なば、いふかひなき物とおぼすべし」
④ 重要である。表向きである。身分が高く、しっかりしている。また、私的生活に対して公である。正式だ。本格的だ。
※源氏(1001‐14頃)行幸「まつりごとの趣をしたため知らむ事は、はかばかしからず、あはつけきやうに覚えたれど」
⑤ したたかである。ずうずうしい。ふてぶてしい動作、態度などについて、相手に呼びかける時などにいう。
謡曲烏帽子折(1480頃)「あらはかばかしや盗人よ」
[補注]「はかない」の「はか」と同じ語根をもち、意味上も「はかない」と対応する。
はかばかし‐が・る
〘自ラ四〙
はかばかし‐げ
〘形動〙
はかばかし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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