( 1 )従来の感動詞「あな」に交替する形で使用された。近世前期までは詠嘆表現を以下に続ける形を基本としており、特に形容詞類に助詞「や」を下接する形式や、「あらうたての殿や」のように「評価語+の+評価の対象+や」の形式を後続させることが多かったが、男女を問わず使われていた。
( 2 )特に下接表現に制約もなくなり、女性が用いる感動詞として使用されるようになるのは、近代以降である。
硬骨魚綱スズキ目ハタ科ハタ亜科に属する海水魚。背びれ棘(きょく)が13本あることで、11本をもつほかのほとんどのハタ族と区別され、アラ族に含められる。太平洋側では北海道から、日本海側では青森県から九州南岸、東シナ海、中国、朝鮮半島南岸、台湾、スル海などに分布する。大阪地方でホタ、高知地方でオキスズキとよばれている。体はやや長く側扁(そくへん)し、体高は体の中央部でもっとも高い。吻(ふん)はやや長くてとがる。上顎(じょうがく)の後端は目の前縁下に達する。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)の後縁は鋸歯(きょし)状で、隅角(ぐうかく)部にある大きな棘は後方に突出する。主鰓蓋骨の上部に3本の棘がある。背びれ棘部と軟条部の間は深くへこむ。鱗(うろこ)はきわめて小さく、側線有孔鱗(ゆうこうりん)数は84~93枚。幼魚には、吻端から目を通り尾部後端に達する灰褐色の縦帯があり、背びれ軟条部の前部、および尾びれに2個の大きな黒斑(こくはん)がある。成長につれてこれらの斑紋は不明瞭(ふめいりょう)となる。沖合いの水深70~360メートルの沿岸から大陸棚の縁辺の岩礁域や砂底域にすむ。全長は1メートルほどになる。初冬から春までが漁期で、延縄(はえなわ)や一本釣りで漁獲される。深海性の大形魚だけに、一本釣りはその豪快さが釣り人に人気がある。餌(えさ)はサバ、サンマ、イカなどの切り身を用いる。幼魚は底引網で漁獲される。白身の高級魚で、冬季は肉に脂肪がのり、刺身、鍋物(なべもの)、蒸し物にすると美味である。
[片山正夫・尼岡邦夫 2020年6月23日]
スズキ目スズキ科の海産魚。北海道からフィリピンまで分布する。多くの地方でアラ,関西でホタ,中国地方の各地でイカケ,長崎・熊本でスケソウなど地方により多くの呼名がある。体型は細長くスズキに似るが,体色は背部は茶褐色で腹部は白色である。背びれは2基で,吻(ふん)は長くてとがり,歯は絨毛状で犬歯状の歯がない。成魚は沿岸のやや深い岩礁域にすむが,幼魚は砂泥底からも得られ,体側に3本の明りょうな褐色縦帯がある。この縦帯は成長とともに不明りょうになる。全長1mに達する。魚類,甲殻類などを食べる。産卵期は地域により多少異なるが,5~9月である。成魚は釣りで漁獲される。冬季がしゅんでちりなべなどにして喜ばれる。なお,近年その分類学上の位置に問題のあることが指摘されている。
執筆者:望月 賢二
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…スズキ目ハタ科の海産魚(イラスト)。クエという呼称はもとは高知県,大阪府,和歌山県などで使われていたもので,三重県二木島でクエマス,和歌山県でキョウモドリ,下関でアラと呼ぶ。また,高知県では本種の幼魚をアオナまたはイギスと呼ぶ。…
…日本近海からは60種以上が知られていて,このうち典型的なハタ類であるマハタ属は40種近くにのぼる。ハタ類の一般的名称として,関西を中心に西日本でマスまたはアラと呼ぶ地方が多い。また,英名としてsea bassまたはgrouperが一般的である。…
※「あら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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