掃立(読み)はきたて

精選版 日本国語大辞典 「掃立」の意味・読み・例文・類語

はき‐たて【掃立】

〘名〙
① (「たて」は接尾語) 掃いて間のないこと。掃除したばかりであること。
養蚕で、卵からかえったばかりの蚕を蚕卵紙から掃き取って他の紙または蚕座(さんざ)へ移すこと。《季・春》 〔養蚕秘録(1802)〕

はき‐た・てる【掃立】

〘他タ下一〙 はきた・つ 〘他タ下二〙
① さかんに掃く。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 蚕卵紙から蚕児を掃き取って蚕座へ移す。
生々流転(1939)〈岡本かの子〉「たとへ繭の値が急に騰ったにしろ、〈略〉掃き立てる枚数をいきなり多く増せるものではない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「掃立」の意味・わかりやすい解説

掃立
はきたて

蟻蚕に初めて桑葉を与え,蚕座に移す作業散種 (ばらだね) の場合は,掃立直前に種枠の上面光線を当て,薄紙の裏に蟻蚕がはい上がってから種枠を広げ,刻んだ桑を与える。蚕が桑についた頃,桑とともに掃下 (はきおろし) して枠を除き,蚕座をつくる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の掃立の言及

【カイコ(蚕)】より

…このような品種改良と一代交雑種の普及によって,在来種の繭層重は0.15~0.2gであったものが現在0.6g程度となり,また繭糸長は500m内外であったものが1500mにもなった。
[飼育]
 孵化したカイコに初めてクワを与えることを掃立(はきたて)という。掃立桑としては新梢の上から4~5葉目のやわらかい葉がよく,これを細かくきざんで与える。…

※「掃立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android