接ぎ木(読み)つぎき

精選版 日本国語大辞典 「接ぎ木」の意味・読み・例文・類語

つぎ‐き【接木・継木】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物のある株の芽や枝を切りとって、他の株の茎などにつぐこと。または、つがれてできた植物体をさす。つぐ方の芽や枝などをつぎ穂または穂木、つがれる方の根のある株を台木または砧木と呼ぶ。古くから果樹栽培などで最も普通の繁殖方法で、果実などに優秀な形質を持った個体を強い根を持った個体についで優良な株が作れる、挿木の困難な植物でも好結果のでるものがある、開花結実をはやめることができるなどの利点がある。切つぎ、芽つぎ、割つぎなどの方法がある。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「両株八重桜〈一条殿枝続木〉、花漸開、永日徒然」(出典:明月記‐寛喜二年(1230)三月七日)
    2. 「花を賞して、つぎ木にせむとてとらせけるにこそ」(出典:古今著聞集(1254)一九)
  3. 江戸時代、米の売買で現物取引と定期取引とをつなぎ合わせること。
    1. [初出の実例]「つきき 正米と帳合とぬうておく也」(出典:大坂繁花風土記(1814)米方通言)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

盆栽用語集 「接ぎ木」の解説

接ぎ木

一般的には繁殖法の一つということになるが、盆栽づくりの上では大変重要なテクニックで、繁殖や枝作り、さらには根張り作りにまで応用できる。一口に『接ぎ木』といっても、様々な目的や方法があるので、ここに挙げる。
枝接ぎ・芽接ぎ
フトコロ部に枝が欲しいが、追い込める芽がない場合など、枝や芽を接ぎ穂にして芽を得る
根接ぎ
良い根張りを得るために、根張りの足らない部分に接ぐ
●呼び接ぎ
接ぎ穂にする部分を母木から切り取らず行なう接ぎ木。活着の難しい樹種(もみじなど)に用いられる
●通し接ぎ
幹に穴を開け、接ぎ穂を通して活着を待つ方法。樹種(もみじや楓など)や時期(5月下旬~6月上旬)を選ぶため、あまり一般的ではない
その他、葉性や品種を変えたいときや繁殖法としてなど、接ぎ木の応用範囲は広い。接ぎ木で繁殖された素材は、花や実の着くのが早くなる。

出典 (株)近代出版盆栽用語集について 情報

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