デジタル大辞泉
「掻き垂る」の意味・読み・例文・類語
かき‐た・る【×掻き垂る】
[動ラ四]垂れる。
「手肱に水沫―・り」〈祝詞・祈年祭〉
[動ラ下二]
1 櫛でけずって髪を垂らす。
「ま櫛もちここに―・れ」〈万・三七九一〉
2 雨や雪が激しく降る。空が暗く曇る。
「いかで出でなむと思ほすに、雪―・れて降る」〈源・真木柱〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かき‐た・る【掻垂】
- [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「かき」は接頭語 ) たれる。下がる。
- [初出の実例]「くれなゐの 面(おもて)の上に 何処(いづく)ゆか 皺(しわ)何伎多利(カキタリ)し」(出典:万葉集(8C後)五・八〇四)
- [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 ( 「かき」は接頭語 ) 雨雲などが垂れ下がって暗くなる。また、雨や雪などが激しく降る。絶え間なく降る。
- [初出の実例]「かきたれてふる白雪の君ならばあなめづらしといはましものを」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)一)
- 「五月しもつやみに、さみだれもすぎて、いとおどろおどろしくかきたれ雨のふる夜」(出典:大鏡(12C前)五)
- [ 3 ] 〘 他動詞 ラ行下二段活用 〙 くしけずって髪を垂らす。
- [初出の実例]「か黒し髪を ま櫛もち ここに蚊寸垂(かきたれ)」(出典:万葉集(8C後)一六・三七九一)
掻き垂るの補助注記
[ 三 ]の万葉例は「かきたり」と読んで四段とする説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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