改算記(読み)カイサンキ

デジタル大辞泉 「改算記」の意味・読み・例文・類語

かいさんき【改算記】

江戸時代の和算書。山田正重著。万治2年(1659)刊。それまでの算書の誤りを訂正し、「塵劫記じんこうき」に次いで世に流布した。

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精選版 日本国語大辞典 「改算記」の意味・読み・例文・類語

かいさんき【改算記】

  1. 通俗和算書。山田正重著。明暦二年(一六五六)刊。「塵劫記(じんこうき)」「因帰算歌」「亀井算」などの誤りを正そうとしたもので、書名もその意より出る。江戸時代を通じ、「塵劫記」についで、広く世に行なわれた。

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改訂新版 世界大百科事典 「改算記」の意味・わかりやすい解説

改算記 (かいさんき)

山田彦左衛門尉正重生没年不詳)の著した江戸初期の数学書。山田は本書によれば父とともに普請関係の役人をしていたらしい。大和の郡山の人である。出版年は不明であるが,今日伝わる書は1659年(万治2)が初版と思われる。吉田光由が《塵劫記(じんごうき)》(1627)を著作して,初歩から中級程度の入門書として広く読まれたが,《改算記》は《塵劫記》の次にベストセラーとなり,幕末まで愛読された。“塵劫”が数学あるいは珠算の意味に用いられるようになったのに対し,《改算記》はそこまではいかなくとも,《改算塵劫記》のような書名が現れるほどによく知られていた。《塵劫記》より後に出版されたので,《塵劫記》の解説という色合いが濃いが,内容が豊富で,亀井割,弾道,月塩知死後などの問題も含まれている。本書の名前は,《塵劫記》,今村知商の《因帰算歌(いんきさんか)》(1640),榎並和澄の《参両録》(1653)などの数学書の誤りを訂正するという意味でつけられている。《参両録》を非難するとともに,《塵劫記》の遺題を解き,さらに遺題11問を提出したことによって,遺題継承拍車をかけた。
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