放狂言(読み)はなれきょうげん

精選版 日本国語大辞典 「放狂言」の意味・読み・例文・類語

はなれ‐きょうげん‥キャウゲン【放狂言】

  1. 〘 名詞 〙 初期歌舞伎の上演形式で、一幕または一番ずつ独立して演じられた簡単な歌舞伎狂言。野郎歌舞伎以降、寛文期(一六六一‐七三)の二幕以上の続き狂言に発展するまでの間に行なわれた。
    1. [初出の実例]「むかしははなれ狂言なりしが」(出典:役者論語(1776)耳塵集)

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百科事典マイペディア 「放狂言」の意味・わかりやすい解説

放狂言【はなれきょうげん】

歌舞伎用語。初期の歌舞伎における1幕だけの脚本のこと。離狂言とも書く。これに対し,寛文期(1661年―1672年)に舞台の引幕が出現して以後多幕物の脚本を続狂言と呼ぶ。
→関連項目狂言(歌舞伎)

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世界大百科事典(旧版)内の放狂言の言及

【続狂言】より

…歌舞伎用語。放(はなれ)狂言(一幕物)に対する用語で,多幕物の狂言のこと。ただし歌舞伎において場面と場面を幕の閉開で区切るようになるのは元禄期(1688‐1704)からで,続狂言が上演されることと,幕の発生とはむすびつかない。…

※「放狂言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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