教科書疑獄事件(読み)きょうかしょぎごくじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教科書疑獄事件」の意味・わかりやすい解説

教科書疑獄事件
きょうかしょぎごくじけん

1902年,小学校教科書採択をめぐって発生した贈収賄事件。 1886年,教科用図書検定条例が制定され,教科書の採択は審査委員会によって行われていた。このため,1902年,当時の教科書出版会社であった東京の金港堂と,審査委員を巻込んで発生した。採択委員の代議士知事視学官,師範学校長,中学校長ら 200名以上が取調べを受け,116人が有罪になった。もともと教科書国定制度 (→国定教科書 ) を要求する声が高まっていたが,これを契機に翌 03年,小学校の教科書は検定制度を廃して国定制度となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android