デジタル大辞泉 「散状」の意味・読み・例文・類語 さん‐じょう〔‐ジヤウ〕【散状】 1 古代・中世、公事くじの参仕者、宿直とのい番の勤仕者など、関係する者の名を列記した文書。交名きょうみょう。2 中世、諸役の勤番や裁判に出頭すべき者の名などを列記し、回覧した文書。回状。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「散状」の意味・読み・例文・類語 さん‐じょう‥ジャウ【散状】 〘 名詞 〙① 古代・中世の、人名を列挙した文書。多く、行事の諸役配当の結果を記す場合に用いた。交名(きょうみょう)。[初出の実例]「上卿著二仗座一、召二外記一、被レ問二使等散状一」(出典:江家次第(1111頃)一二)② 中世、二人以上の者に諸役を勤めるべきことを命じ、または裁判にあたって原告被告双方に出頭を命じるために、順に回覧させた文書。返事はこの文書上に簡略に記入した。回文。回状。[初出の実例]「随兵事、今日被レ廻二散状一」(出典:吾妻鏡‐建長五年(1253)七月九日)③ 上からの命令または質問に対する、簡略な形式の返答書。[初出の実例]「左衛門尉宗相不レ参之由先注二進散状一了」(出典:小右記‐万寿元年(1024)四月一一日)④ ちらかった状態。とりちらかしたさま。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例