文吉(読み)ぶんきち

朝日日本歴史人物事典 「文吉」の解説

文吉

没年:文久2.閏8.29(1862.10.22)
生年:生年不詳
幕末,京都の目明。猿の文吉とも呼ばれた。安政5(1858)年,九条家家士島田左近の指示に従って志士探索・捕縛に当たった。これが恨みを買い,文久2(1862)年,岡田以蔵ら尊攘派の浪士に自宅から拉致され,くびり殺されて三条河原にさらされた。捨札に「非分の償金を貪り,其上,島田所持致し候不正の金子を預り,過分の利足を渙にし」とあり,高利貸しもしていたらしい。同じ捨札にはこうも書かれている。「同人死後に至り,右金子借用の者は,決して返済に及ばず候」。

(井上勲)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「文吉」の解説

文吉 ぶんきち

?-1862 幕末の目明かし。
京都の九条家家士島田左近の手先となり,安政の大獄のとき尊攘(そんじょう)派の探索や逮捕にあたる。高利貸もおこなう。猿(ましら)の文吉とよばれた。文久2年閏(うるう)8月29日土佐の岡田以蔵らに絞殺されたうえ三条河原にさらされた。山城(京都府)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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