斤先掘(読み)きんさきぼり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斤先掘」の意味・わかりやすい解説

斤先掘
きんさきぼり

おもに石炭鉱業経営において使われる用語で,鉱業権者以外の第三者が,鉱区の一部で石炭を採掘,取得することをさす。鉱業権者と斤先掘を行う者との間に金銭あるいは出炭の一定量を対価として支払うことなどを決めた契約を斤先掘契約という。この契約は一種の鉱業権の賃貸借であるが,鉱業法では鉱業権の賃貸借を禁じており,法律に違反した契約である。しかし,油田鉱における共同井,金鉱山における自稼 (じかせぎ) などと同様に,斤先掘は古くから広く行われてきた慣行であったため,鉱業法の改正により租鉱権として法的に公認され制度化した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android