斧淵村(読み)おのぶちむら

日本歴史地名大系 「斧淵村」の解説

斧淵村
おのぶちむら

[現在地名]東郷町斧淵

東郷の南央部、蛇行して西流する川内せんだい川の北岸に位置。東は南瀬のうぜ村、西は田海とうみ(現川内市)、南は川内川を境に下流部が白浜しらはま(現同上)、上流部が樋脇ひわき楠元くすもと村・なか(現同上)、北は鳥丸とりまる村、北東山田やまだ村。村名はかさ山の支峰斧砥おのとぎ山の南麓一帯の川内川沿いに位置することに由来するとの口碑がある(東郷町郷土史)。永和四年(一三七八)一二月一九日の高城真宗譲状(旧記雑録)に「東郷之(斧)淵村内六田五段ゑしの前三反、同しやうの屋敷一宇」とみえ、同地などが渋谷東郷氏の一族で大口本拠とした高城氏の重代相伝の所領として重眺に譲られている。応永一〇年(一四〇三)一二月一三日、島津元久は渋谷重頼と一味同心を誓っているが、もし東郷氏らが味方になった時には「淵」などを東郷氏に与えるとしている(「島津元久契状」入来院文書)。ただし当地など永和四年の譲状にみえる領地は、応永一二年四月二九日、真仏が重一に、永享二年(一四三〇)八月二八日には真梁が重政に、同一〇年三月一四日には重政が松五郎に譲渡している(応永一二年四月二九日「真仏譲状」旧記雑録など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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