朝日日本歴史人物事典 「島津元久」の解説
島津元久
生年:康永2/興国4(1343)
南北朝時代の薩摩(鹿児島県)・大隅(同)・日向国(宮崎県)守護。氏久の嫡子。陸奥守。大隅国において肝付氏らを被官化し,段銭を賦課するなど同国の実効支配を強化,応永11(1404)年に大隅・日向両国守護に補任された。さらに,薩摩国守護島津伊久とその子守久の抗争の末に伊久から家宝類を譲渡され,同16年には薩摩国守護にも補任されて南九州3カ国守護職の統一を果たした。鹿児島に清水城を築き,守護家の本居を鹿児島郡に確定,また親族の石屋真梁を開山として菩提寺,福昌寺を創建し,島津家の守護領国の基盤を確定した。応永17年には,将軍足利義持への謁見のため上洛している。<参考文献>山口隼正「薩摩国守護」「大隅国守護」(『南北朝期九州守護の研究』)
(福島金治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報