断熱定理(読み)だんねつていり(その他表記)adiabatic theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断熱定理」の意味・わかりやすい解説

断熱定理
だんねつていり
adiabatic theorem

ある力学系において,外部変数を無限にゆるやかに変化させるとき,エネルギー一定の面で囲まれた位相空間体積は不変に保たれるという定理統計力学によると,この体積は系のエントロピーを与えるので,この変化は熱力学における断熱変化に対応する。またこの変化のときの全エネルギーの変化 δE は,外部変数の変化を δy とすると,δE=<δHy>δy で与えられる。右辺は外部から系にした仕事に等しい。ただし H は系のハミルトニアン,<> は統計力学的な平均を表わす。

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法則の辞典 「断熱定理」の解説

断熱定理【adiabatic theorem】

系のパラメータ yii=1,2,…,n)を微少量(δyi)だけ断熱的に変化させたとき,系のエネルギー変化 δE は,系のハミルトニアン H を用いて

で与えられる.ここで〈 〉は統計力学的平均または量子力学的平均を意味している.

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