断裂法(読み)だんれつほう(その他表記)interrupted version

日本大百科全書(ニッポニカ) 「断裂法」の意味・わかりやすい解説

断裂法
だんれつほう
interruption

世界全図に用いる地図投影の変形一種で、地域ごとに中央経線を選んで作図した地図を、共通の線に沿ってつなげる方法。たとえば赤道に沿ってつないで全体の地図にする方法は代表的であり、アメリカのグードJohn Paul Goode(1862―1932)による1923年発表の断裂グード図法(断裂ホモロサイン図法)はその例である。断裂法で作成された地図は、海洋または大陸の単位地域ごとの地図投影のひずみを少なくし、単位地域内の位置関係は視覚的に分かりやすくなるが、裂け目に沿う部分のつながりは分からなくなる。図法本来の名称に「断裂」を冠した名称のほかに、地図全体の形状に基づいた「星型図法」などがある。

[金澤 敬]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「断裂法」の意味・わかりやすい解説

断裂法
だんれつほう
interrupted version

断裂図法 interrupted projectionまたは複中心図法 recentred projectionsともいう。地図主点または中央経線をいくつも設けて,地域ごとに作図し,地域の境は切れたままとし,赤道や適当な緯線に沿って接続させて一つの地図にする地図投影法総称。 J.グードが,モルワイデ図法について (1916) ,ホモロサイン図法について (23) ,極心正積方位図法について (28) ,それぞれの断裂法の世界全図を発表した。『グーヅ学校地図帳』 Good's school atlas (22初版) にはグーヅホモロサイン正積図法として,断裂ホモロサイン図法の世界全図が収録されている。なお,星型図法は極心方位図法の断裂法によるものである。

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